分類付き AI 記録は起草と型付けを2段に分離する — 型テンプレの本文逆流と見出し由来の過剰ラベルを防ぐ
設計判断
AIツール設計
ナレッジ管理
判断
運用
原則
LLM が知識・記録を起草し、同時に decision / knowledge のような複数ラベルの型を付与する仕組みでは、型の定義や「付け損ね防止」の指示を強めるほど、その影響がラベル付与を越えて本文の書き方に逆流する。分類タクソノミーは本来、出力側(合成・要約・証跡表示)の読み取りレンズであり、入力スキーマとして起草に降ろすと記録の自然さと分類の質を両方毀損する。
症状(サンプル監査で実測した壊れ方)
- テンプレ画一化: ほぼ全記録が同一の判断テンプレ骨格(判断基準/なぜ/落とし穴/検証)になり、内容が純粋な仕様知識でも判断系の見出しが付く。
- 見出し由来の過剰ラベル: ラベル推定が本文の見出し表層に引っ張られ、「判断基準」見出しがあるだけで判断系ラベルが付く。実測では直近20件中3件が該当し、全て複数ラベルの過剰付与だった。
- 一方、最悪形として懸念しがちな「事実を『選んだ』へ言い換える捏造」は測ってみると起きていなかった。是正の前にサンプル監査で症状を特定する(懸念ベースで直すと的を外す)。
判断基準
- 起草と型付けを2段に分離する。段1(起草)は型を意識せず、出来事・知見に自然な構成で本文を書く。段2(型付け)は確定した本文にすでに書かれている内容だけを根拠にラベルを推定する。型を成立させるための本文への書き足し・見出し追加は禁止。
- 判断系ラベルの付与条件は見出しや形式でなく実質に置く: 実際に起きた選択・却下・トレードオフの解消が本文にある場合のみ。選択肢の列挙だけで「何を選んだか」の記録がないものは判断ラベルにしない。
- テンプレ骨格は判断系記録の型であって全記録の型ではない。知識主体の記録は内容に従った構成で書かせる。
- under-label 防止(判断を commodity 知識に落とすバイアスへのチェック)は、段2の読み取り感度の規律として共存できる。逆流禁止(書き込み規律)とは軸が別で、両立する。
なぜ
記録を「判断の証跡」として第三者に見せる用途では、判断でないものに判断ラベルが付くこと自体が真正性の信頼を毀損する。また全記録が同一テンプレになると、書き手の自然な声が消えて「無理やり型に合わせている」感覚が生まれ、蓄積の継続性を損なう。
検証
- 導入前に直近サンプル(20件程度)を「真正(実際の選択+却下が本文にある)/ボーダー(列挙のみ)/疑似(実体は知識)」で監査し、疑似比率のベースラインを取る。
- 改訂後に新規作成された記録を同じ基準で再監査し、比率が下がっているかを見る。
- 副作用の監視: 判断系ラベルの件数推移が急減したら読み取り感度の逆戻り(under-label への揺り戻し)としてガード文言のみ再調整する。