領域統計のゲートは真の大領域より偽の小領域が通る逆転を起こす — 閾値は失敗クラスの実測で挟む
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設計判断
アルゴリズム
知識
判断
運用
シャープネス(ラプラシアン分散)やエッジ密度など、候補領域の統計量で候補を採否判定するゲートは、値が領域のサイズと内容に依存するため「真の対象(余白を含む大きな領域)が閾値を下回り、偽の候補(文字やテクスチャが密集した小さな部分領域)が閾値を通過する」逆転が起きうる。逆転が起きると、真の対象が揺らぎで落ちたフレームだけ偽候補が唯一の検出になり、表示が飛ぶ・別対象に切り替わるという質の悪い不安定化になる。
判断基準
- ゲート閾値は勘や既定値でなく、両側の失敗クラスの実測値で挟んで決める。「許容したい劣化入力(実運用相当の摂動を加えた真の対象)での統計量の下限」と「棄却したい入力(明確な不良)での上限」を先に測り、その間に閾値を置く。閾値が許容側実測値の直近にあると、フレーム毎の揺らぎで採否が反転しちらつきの原因になる。
- ちらつき対策として閾値を一律に引き下げるのは危険。「弱い真」を通すと同時に「弱い偽」(境界帯の背景など)も通してしまい、誤検出の悪化として跳ね返る(実機で確認済みの失敗)。正しい形は二段閾値のヒステリシス: 高い閾値は「新規に信じる基準」(新規トラック作成・表示開始)、低い閾値は「信じ続ける基準」(確立済みトラックの生存維持のみ、実績カウントは増やさない)に分ける。弱い検出に新規作成を許さなければ、境界帯の偽候補は決して表示に至らない。
- ヒステリシスの維持側は「確立済み」(複数回の強い検出実績がある)対象に限定する。単発の強い検出で生まれた候補まで弱い検出で維持すると、境界帯の偽候補が稀な閾値超えを起点に永久生存する。
- 統計量が領域内容に依存する以上、ゲートだけで偽候補を落とそうとしない。逆転して通過する偽候補の抑制は、包含関係の抑制や表示側のデバウンス(連続 N フレーム検出で初めて表示)など別レイヤーに分担させる。
検証方法
実運用相当の摂動(ぼかし・平行移動・明度変動)を決定的な疑似乱数で系列生成したフレーム列に対して検出〜トラッキング〜表示の実経路を回し、表示の連続欠落数と前フレームとの IoU ジャンプ回数を集計するスイープを作る。棄却理由と統計量の実測値を段階別にログして、どのゲートのどの値で落ちているかを特定してから閾値を動かす。変更後は、棄却したい側の失敗クラス(強い不良入力)が依然棄却されること、および誤検出させたい側の実地シーン(誤検出が起きた実フレームの再現)で偽候補が表示されないことも同じハーネスで確認する。